今日のホームルームは真宗大谷派の僧侶であり、また東京の四谷で「東京坊主BAR」という飲食店のオーナー業もされている田口弘願(ぐがん)さんのお話。田口さんは子供の頃から片目が見えず、もう片方も弱視であったため随分と苛められたようです。そのときの彼は「オレをバカにした奴らを必ず負かすんだ」という気持ちで猛勉強をして難関高校に合格し、見事周りを見返すことに成功しました。しかし、人生そううまくはいかない、猛勉強の末に入れた高校で授業についていくことが出来ずに挫折をしてしまいます。勉強だけが人に勝てる要素であると思っていた彼はそこでひどく落ち込みます。居場所をなくし、子供の頃に遊んでいたお寺の境内でうろついていると、そこのご住職から声をかけられます。この出来事が田口さんにとっての人生のターニングポイントというべき出会いであり、後に仏教の道に入るきっかけだったそうです。

 挫折して苦しんで、自殺まで考えるくらいに追い込まれている時に偶然出会った人によって助けられ、後の人生に大きく関わるような影響を受けるきっかけとなる。どん底からの脱出!のうようなドラマチックな出来事は、人間誰しも大なり小なりあるのではないかと思います。私自身の中で人の一生は帳尻あわせであるという考えがあります。いいこと悪いこと、嬉しいこと悲しいこと全て、長い人生で見ると同じくらい経験して最終的にはプラスマイナスゼロになるのではないかと。このお話の中で田口さんは「いいことも悪いことも、自分に起こることは全て仏様からのプレゼント」とおっしゃっています。たとえ現状が悪い状況だったしても、腐らず、焦らず辛さに耐えて努力を怠らなかったら、後に必ずプラスになって自分に返ってくる。そういう考え方が出来るようになれば、人はとても強くなれるのではないかと思います。

 受験生にとって、今の時期、精神的にも身体的にも大変辛い状況だと思います。ですがここで踏ん張って努力を惜しまずに目標に向かって邁進し、目標を達成することの大切さを是非わかってほしい。こんなエールを送るのはおこがましいような気もしますが、今のこの時期こそ最初に乗り越えないといけない山なのではないですか。