今週はパナソニックの創業者松下幸之助さんについてのお話がありました。

私はあまり知らないでいましたが、パナソニックは大阪の福島区の小さな町工場から始まったんですね。二股ソケットの考案(皆さんは二股ソケットって知っていますか?)で成功の足がかりをつけた松下さんは後に松下電器産業株式会社(現パナソニック)という世界的大企業を興しました。晩年には「松下政経塾」を設立し、先の民主党政権当時の野田元総理を初めとしてたくさんの優秀な政治家を自費で育て上げ、その塾は今も続いているのです。実業家である松下さんが、何故このような政治家を養成する塾を設立するに至ったのでしょうか。昨日のお話を聞いてみると、やむにやまれぬ気持ちから思い起こしたようです。

江戸末期から明治維新にかけて、「松下村塾」の吉田松陰、大阪の「適塾」の緒方洪庵、「海援隊」の坂本龍馬など今も多くの若者に影響を与える偉人たちが次々と世に輩出され、次世代のリーダーを育てました。私達は歴史の時間に彼ら偉人たちの功績を聞き、大いに感激したものです。その事実は時代の要請があったからこそと言われると納得せざるを得ません。しかし松下さんは、この泰平な世の中を謳歌するばかりの日本の若者たちに差し迫る危機感を感じたのではないでしょうか。「実業家が政治に関わる」ことの懸念を表明する、周辺の多くの人々の反対意見を耳にし、一旦は挫折しかけるものの、日本の未来を憂慮し、「為政者をはじめ各界に優れた指導者を得なければならない」という「確固たる信念」に基いて再度立ち上がり「松下政経塾」の設立が実現したのです。「やむにやまれぬ」心境は、最近の日本の状況を慮るに、明治の偉人たちにも負けないものであったに違いありません。誰もが感じようとしない時代の要請を、松下さんだけは感じ取ったのではないでしょうか。

何を考えることもなく平和な時代を満喫する私達も、わが塾生たちも医学部の合格に遭遇するだけに留まらず、医学的見地から、国の平和、また国民の幸福(果ては世界の平和、世界人民の幸福)を希求することを考えてみるのもたまにはありかな!というホームルームのお話でした。