昨日のホームルームはトヨタで福祉車両を手掛ける中川茂さんという方のお話でした。中川さんは十九年前生まれたばかりの娘さんの脳に障害があることを知らされました。夫婦ともに大きなショックを受け、立ち直るのに長い月日を要したそうです。その辛さを乗り越えた中川さんは、「我が家と同じ境遇の家庭」のために「役立つ車」を作ろうと決意し立ち上がります。そして自ら開発部署への人事異動を嘆願します。そして幾多の苦労を経て念願の福祉車両の開発を手掛ける部署に配属されます。

 その後中川さんは早速養護学校を訪問し、お母さんたちの送迎の様子を観察し、思っていた以上に大変な苦労を重ねているお母さんたちの姿を目の当たりにして、その苦労を少しでも緩和してあげたいという思いを強くします。そして苦心惨憺の末、模型車を作り提案してみますが、お母さんたちの満足はなかなか得ることはできません。トヨタ社内でも中川さんの提案はまったく実現できない日が続きました。そんな苦労の連続の中で、「1.5列目シート」という座席を開発します。これは身障者の家族ならではの思いに満ちたもので、多くの方々の後押しの上、漸く念願の車両を実現することができました。「我が家と同じ境遇の家庭」のために立ち上がった中川さんは、いまや「世のため」「人のため」という大きな目標に向かって更なる努力を続けています。

 大阪医進予備校の生徒達も、「医学部に合格したい」「医者になりたい」という思いにとどまらず、「世のため」「他人のため」に尽くしたいという思い持ってこの一年を頑張ってほしいという願いのこもったホームルームでした。